従業員エンゲージメントを支える10個の要素 – 1. 期待の把握
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
従業員エンゲージメント(Employee Engagement)は、従業員が組織についてポジティブに捉え、共感し、強くコミットして働くような状態です。従業員エンゲージメントが高いと、事業成果に向けたパフォーマンスが高まるとされています。
従業員エンゲージメントに関する代表的な10個の要素を1記事につき、1項目ずつ紹介していきます。
他の要素が気になる方はまとめ記事をどうぞ。
今回は「期待の把握」です。
「期待の把握」とは?
期待の把握は、
- 従業員が自身が求められる役割を理解している
- 従業員が自身が求められる責務を理解している
- 従業員が自身が求められる期待の水準を理解している
ができている状態です。
役割・責務が明確であれば、取り組む対象にズレなくフォーカスできます。
また、期待の水準が理解できていれば、
- 期待の水準に到達したときに称賛される
- 従業員の認識通りに評価される
といった、ポジティブな経験をすることになります。
キャリアの展望も描きやすく、長期的に働きやすい環境と言えます。
従業員が期待を把握できていないとどうなるか?
役割・責務が不明確だと、自分が取り組む対象がどこからどこまでかが曖昧になります。
結果として、本来組織から期待されているより広い範囲に薄く発散した活動になるかもしれませんし、逆に期待されているより狭すぎる活動になるかもしれません。
この状態は本人のキャリアにとってもマイナスになりやすく、「この組織でキャリアを積み上げていきたい」という動機を奪いやすくなります。
期待する成果の水準について、組織からの期待が高く本人の認識が低い場合、最もこじれやすくなります。
- 従業員視点だと評価に値する貢献をしたのに、いつまでも昇格できない
- 従業員視点だと評価に値する貢献をしたのに、いつまでも昇給しない
というような結果につながりかねません。
従業員に期待を把握してもらうために必要なこと
従業員と役割・責務に関する認識合わせができている
従業員に期待する役割・責務を明確に伝え、認識を合わせます。
主務だけではなく、複数の役割を期待する場合は主務以外の期待についても伝えます。
以下のように必要な節目ごとに実施することになります
- 入社時
- 異動時
- 昇格後
- 役割・責務の変更時
また、個別ではなく、チーム内での役割・責務を明確にするためにRACI図等の責務を整理する仕組みを利用するのも有効でしょう。
なお、新規事業に関わるような流動性の大きな状況の場合は、役割・責務は広く曖昧なものにやりやすく、この場合は柔軟に対応してもらう必要があることについて期待を合わせておく必要があるでしょう。
従業員に期待する成果の水準に関する認識合わせができている
従業員に期待する成果の水準を明確に伝え、認識を合わせます。
評価制度があり、評価基準が整っている場合、その内容をもとに
- 従業員のグレード
- 従業員の所属部門の業務
- 従業員の職種
を踏まえて成果水準の期待を伝えていくことになります。
こまめに1on1を実施できる場合は、日々のやりとりで常に期待を揃えているのが理想です。
マネジメントリソースが不足していて手厚い1on1が出来ない場合は、せめて目標設定と評価のタイミングでズレを小さくしていけるように期待を合わせていきましょう。